真夜中

清く正しく美しく強く生き抜くためのブログ

蜜のあわれ

 用事と用事の合間に少々時間があったのでずっと気になっていた銀座の十誡に行ってきました。

www.zikkai.com

”好事家の書斎”をコンセプトとした、感性を限りなく刺激するブックライブラリースタイルのカフェ・バー、十誡。―公式HP引用

 だそうです。本当に壁一面が本棚で本がぎっしり詰まっておりました。見てるだけでテンションが上がっちゃう。ジャンル的には幻想文学なのかな?分厚い本から写真集までいろいろありました。個人的には澁澤龍彦が沢山置いてあったのがグッときました。夢野久作全集とか。また足を運んでゆっくりと読みたいと思う本がたくさんでした。最近はkindleでばかり本を読んでいたけれどやっぱり紙媒体は“今” “私が” “読んでいる” という実感があってとても良いですね。

 こちらのバーでは月替わりで文豪カクテルという様々な作品をイメージして作ったカクテルを出していらっしゃるのですが、今月はなんと!室生犀星蜜のあわれをイメージしたカクテル!!蜜のあわれが大好きな私は、何としてでも行かなければ!!と思い足を運んだのでした。

f:id:yuki_pop:20180814231531j:plain

蜜のあわれカクテルと蜜のあわれ(文庫版)

 金魚鉢をイメージしたグラス、そして赤子の、鮮やかな、赤。とても素敵です。お味は西瓜のソルティドッグ。おいしかった。

 

 「あたい、何時死んだって構わないけど、あたいが死んだら、おじさまは別の美しい金魚をまたお買いになります? とうから気になっていて、それをお聞きしようと思っていたんだけれど。」

「もう飼わないね、金魚は一生、君だけにして置こう。」

 

                     ―「蜜のあわれ室生犀星

 

貴方は私の。

 期待しなくてもいい、というのはどれだけ素敵なことなのでしょう。私はあなたが好きだけれども(この時の好きは決して恋愛感情という意味だけではない)、あなたは決して私のことを好きにならない。あなたの中には1mmたりとも私の居場所はない。しかしだからこそ私は心地が良くて、あなたを好きでい続けられるのでした。

 あなたが私の全てを決めて、2人の間の出来事の決定権は私にはない。私にはただひたすらあなたを待ち続けるしか術がない。それはまるで祈りに似ているのだった。

 

 あなたは私の神様みたい。

悲しかったこと

 ブログを書くのはとても久しぶりなのです。承認欲求の強い現代の若者の例に漏れず私もまた文章を書き始めてしまった。辛いこと悲しいことがあれば言葉にすればいいとよく言うけれど、それならば孤独に手帳の上にしたためておけばいいのです。それでは満足できなくなってしまったのは私が孤独なように見えて孤独でなく、それでいて本当に孤独になってしまったからでありました。))

 今年の冬、初めての雪が降っていて、泣きながらバイクに乗っていたらキラキラして激エモかったな。私が本当に好きだったものはなんだったっけ。行けなくってごめんね。

 可哀そうなことと、私が不当な扱いを受けることとは全くの別問題だと頭ではわかってはいるけど、なかなか切り離せないね。私が我慢すれば収まることと、私が涙を飲んでまで我慢しなくてはいけないことは違う。

 駅前でくだらないことで言い争いをして、最後に笑って自分の意見を口にすることはとても重要だと思った。とても気持ちがよかった、寒かったけれど。ありがとう。

 今日は色々あったけれど、大切な人はみんな無事でよかった。